【ベトナム通信3】遥かなる山をたずねる旅~最北ハザン省~


ベトナム在住7年にしてはじめてベトナム最北の省、ハザンを訪れました。ハノイからバスに揺られること約6時間。ハノイより少しだけ空気が軽い感じがして爽やかなハザンの街に到着します。まず、クラクションの喧騒のなさ、車やバイクが走っていないのに信号できっちり停まっている人々の余裕にハノイとの違いを感じて感動。(そこ?)



ハザン市のホテルで車の手配をして、ドライバーさんと一緒に旅のルートを相談。今回たまたまホテルが手配してくれたドライバー兼ガイドさんがとてもいい人でした。ハノイの大学で建築を学んだのち、フォトグラファーを志し、ベトナム各地を旅しながら風景写真を撮り写真展を催していたそう。ベトナムの写真家100人のうち1人に選ばれるもそれで食べていけるほど稼ぐことができず、地元のハザン省に戻って外国人観光客を案内する仕事をはじめたそう。夢は海外で働くことで、日本の研修生制度にも一度応募したことがあると話していました。(日本には研修生として行かなくてよかったと思う。)まだ若いし、素直で有能なので、きっとチャンスに恵まれれば、大きく羽ばたくんだろうな。



入境許可証いるの?いらないの?

ハザンへの旅と聞くと「入境許可証いるのでは?」という疑問がわきます。ハザンの中でも中国との国境に近いエリアや少数民族居住エリア(ドンバン、メオバック、ルンクーなどの旅)では入境許可証が必要で、ハザン市ではいらないそうです。

ただ、実際は近年の外国人観光客の急増で、入境許可証の提示を求められることはなく、ホテルやガイドさんも取得しなくていい、もし提示を求められたらその時に対処すればよい、とのことでした。


今回ホテルに事前にパスポート写真をメールで送り、入境許可証を事前取得しました。費用は220,000 VND/人です。ちなみに入境許可証のベトナム語は「 GIẤY PHÉP VÀO KHU VỰC CẤM, KHU VỰC BIÊN GIỚI (Entry permit to the restricted area, border area)」です。



ハザン省の観光マップ


通常の観光であれば2泊3日でも回れますが、やや急ぎ足になるので、最低3泊4日あればぐるっと一周楽しめると思います!


私たちのコース


★1日目:

ハザン出発→クアンバ(ヘブンズゲート、おっぱい山、ルンクィ洞窟)ナムダン村でホームステイ


ヘブンズゲート - Cổng trời Quản Bạ

クアンバ(かつてモン族の王が治めていたエリアの入り口)。ここの見晴らしカフェに併設している小さな特産品コーナーは必見。ミントの花から採れたハチミツや山の草木で精製したオイル、お茶、少数民族の雑貨が置いています。ドンバンやハザン、メオバックなどの街では見かけない、おしゃれなパッケージのものがあるので、ここでお買い物しておくべし。



おっぱい山 - Núi Đôi


少し階段を昇ったところにある、見晴台から見たおっぱい山。晴れていて綺麗に見えました。左下の方に見えるのがクアンバの街。


ルンクィ鍾乳洞 - Động Lùng Khúy



険しい山間にとうもろこしを植えるモン族の人々が暮らす村に洞窟があります。小1時間ほど山を登ると鍾乳洞があります。標高も高いので、ふだん運動していない私はけっこう息切れしました。鍾乳洞の中には受胎祈願のパワースポットもあります。


ナムダン村 - Nậm Đăm


少数民族ザオ族が暮らすナムダン村でホームステイ。

夜はザオ族のご夫婦がつくった夕食を宿泊者みんなで囲んで食べました。とうもろこしから作ったお酒(度数35度くらい。なぜかハザンエリアではお酒のことをハッピーウォーターと呼んで楽しそうに飲む)をエンドレスにつがれながら、夜は更けていく・・・。

しかしさすが薬草の知識にたけたザオ族。とうもろこしのお酒をつくるときも二日酔いにならないようにハーブを調合してつくっているらしく、泥酔していたドライバーさんも次の日にはすっきりした顔をしていました。ここで飲んだお酒が一番美味しかったな~。(異が痛かったので口をつけた程度でしたが)


★2日目:

ナムダン出発→ルンタム村、イェンミン、タムマー峠、映画「モン族の少女 パオの物語」ロケ地、モン族の王宮→ドンバン


ルンタム村 - Làng Dệt Lanh Lùng Tám


ルンタム村にある麻の織物工房を訪ねました。

ここでは麻を紡ぎ、織物をつくり、それを草木染、ろうけつ染をしたり、刺繍をしたりして商品を製作しています。

ハザン省のモン族はほとんど化繊の衣服を着ているのですが、結婚式などの大事な行事のときには昔ながらの伝統衣装を着ることもあるそうです。

作っているものは自分たちの暮らしのものではなく、おみやげ品だけでしたが、こうして商品として作り続けることで伝統的な技術を継承し続けていけるといいなと勝手ながら思いました。


イェンミン - Yên Minh


ハザン市とドンバンの中間にある街。ここでお昼を食べました。まさかここで食べたお昼に後々苦しめられることになるとは知らず。クリーミーな味わいと思っていたかぼちゃの肉詰めがただ単にちょっと腐っていたとは...。


昼食をすませて車を走らせると、絶景ポイントが。写真だといまいち伝わらないですが、棚田が広がっています。稲刈り直前の時期や水田が広がっていたらもっときれいだろうな~



タムマー峠 - Dốc Thẩm Mã


馬が9つある峠を登り切ることができるかどうか試すための坂だったことからその名前がついたと言われる。 Thẩm (審査する) Mã (馬)という意味だそう。


映画「モン族の少女 パオの物語」のロケ地 - Phim trường "Chuyện của Pao"



日本では2007年に公開された映画「モン族の少女パオの物語」のロケ地となった村を訪ねました。

このあたりの長であったという村で一番立派な木造の家がパオの家として撮影で使われた場所です。撮影中は7~8カ月も家を貸していたそう。白モン族の暮らしと少女の家族をめぐる物語で出てくる世界観を感じられる場所でした。映画で一番見入ってしまったのは、その美しい衣装なのですが、衣装も展示していてほしかったな~。白モン族の花嫁衣装といわれるスカートも見たかったな。結局ハザンでは一度もモン族の伝統衣装を見かけませんでした。


モン族の王ヴォン邸 - Dinh thự họ Vương


ケシの栽培とアヘンの取引で富を築き、モン族の王と呼ばれたヴォンチンドゥック(Vương Chính Đức 1865 - 1947)が1919年から9年間と150億円をかけてつくった王宮。建物の柱を支える礎石や庇の垂木飾にケシの実を模ったものをあしらっていたりと細かなディテールまで凝っている。中国の建築様式を基本の設計としながら、フランスの要素も取り入れられた建物は見どころが満載。


王が寵愛していた第3夫人しか入ることが許されなかったという石造りの浴槽(写真右上)なども興味深った。(ちなみにヤギのミルク風呂に入っていたそう。)


ドンバン - Đồng Văn


旧市街や市場があるハザン省の中でハザン市に次ぐ大きな街。近辺にベトナム最北端の村ルンクーやモン族の村々、日曜市が開かれるメオバックがあり旅の拠点となる場所。


一緒に行ったカメラマンさんは10年前に同じ場所を訪れたそうだけど、こんなにたくさんカフェも並んでいなかったし、ホテルも数軒あった程度だったそう。旧市街というけれど、それっぽく建物を並べただけで昔からありそうな建物は唯一「Cafe Pho Co」というカフェだけのようで残念だった。


日曜日に開かれるドンバンのサンデーマーケットには周辺の村から少数民族がたくさん集まってきます。その様子は4日目へ!


★3日目 マーピーレン渓谷、トレッキングのはずが前日のお昼にあたり、発熱のため休養に…。ホアンゴックホテルにこもる。ホアンゴックホテルは街の中心にあって清潔で約$20とお安いのでおすすめです。



ドンバンの郵便局ではフラッグタワーの写真が入った封筒も買えますよ。500 VND/枚